成人期にかかる病気の多くは、糖尿病、高血圧症など「生活習慣病」と呼ばれるもので、名前が示すとおり、慢性化し長く付き合う疾患となる場合が多くあります。その後の人生にも大きく影響するだけに、患者さんはもちろん、家族の方を含めた心と身体のケアが重要です。病気が進行しないように最大限の注意をはらうことはもちろんですが、治療を優先するあまり社会生活を犠牲にすることは、かえって心のバランスを崩すきっかけにもなります。その時々の身体の状態に合わせながら、いかに自分の役割を見出してもらうか。患者さんとご家族に寄り添いながら、必要なサポートについて考え、研究し、普及を図ります。
学部教育
成人看護学領域における学部教育のねらいは、ライフサイクルにおける成人期の成長・発達および健康障害に焦点をあて、特に慢性・長期的な健康生涯を持ちながら生活している対象とその家族、生活機能障害を持った対象とその家族、人生の終末期にある対象とその家族にたいする援助ができる人材を育成することです。
大学院教育
成人看護学領域における修士課程のねらいは
1)エビデンスに基づいた成人期の対象に必要なホリスティックケアの知識の獲得
2)エビデンスに基づいた創傷治癒の知識の獲得
3)成人の特性をふまえた成人教育理論に関する知識の獲得
4)自己の研究課題を明らかにし、研究方法論に添って研究課題を分析・記述する能力の獲得
修士課程の現状として、当領域においては社会人の学生が多く、大学院では研究方法論および教育方法論を学び、教育現場や臨床で指導者としての役割を果たしています。