お久しぶりです。
助教の北谷です。成人看護学1講座ではいよいよ今年最後の実習となっております。
今年の実習は大変でした。
富山大学の実習は,2月中旬から8月までの期間で領域別の実習が行われていています。
2月中旬……思い出すのもいやなのですが,コロナウイルスのパンデミックがちょうど始まった時期でもあります。12月頃から,中国の武漢でのニュースを見て,ダイヤモンドプリンセス号など,時間がたつにつれて徐々に広がっていく,コロナウイルスに対して,
WHOからの発表を中止していたり,
コロナウイルスは風邪症候群に多いことを知って,少し安心したり
とかなり甘い見通しを持っていました。
そんな中で,2月の実習が開始し,日本での感染拡大となりやむなく,実習も臨地にいかないことが決定されました。
このときほど,甘い見通しをしていた自分を殴りたくなったことはありません。
それ以降も,世界的なパンデミックとなり,ロックダウン。実習は学内で行えなくなりました。
ようやく5月に緊急事態宣言が解除され,6月には他県への移動規制が緩和され実習も学内での実習が可能になり,4クール目を迎え,今の5クール目です。
慢性期では,対象となる生活者の方が呼吸機能に障害があったり,抗がん剤を使用し免疫系の弱体化が考えられるため,今年度の実習においては,病棟に行かないことを決めました。
学生にとってみれば,臨地実習を行わずに看護師として就職することに不安を持つことは重々承知ですが,医療者の倫理として,感染症を病院に持ち込まず,生活者を傷つけないことを優先することになりました。
しかし,可能な限り、臨床に必要とされる能力とは,という点と慢性期看護学講座として学生にとって生活者を見ていくために必要な力を考え,5クール目を行っております。
今年度は,上述のように,毎クール実習形態を変更し,ひどいときには毎日山田先生とミニカンファレンスを行いながら,実習を進めていました。
大きな点として,
・観察力
に着目して行いました。その際,北谷は生活者役をしていたため,実際の写真はありませんが,入院時に看護師(八塚先生)が関わっている際に,生活者がどのような動きをしていて,そこから考えられる情報の解釈を行う,ということ実習のベースにしています。
その人がどんな人か,のデータを観察をベースとしてつくあげていきました。
これは,対象の生活者の病態を決めて,病態にその人の心・暮らし・生活の核を含めた
病いの関連図の発表の場面です。
それを聞いている学生たち。。。マスクをしているので,ノーモザイクですが…………
今回の学生たちは,教員側が驚くような力を発揮しているように感じます。
我々教員側が想定していたものよりも,よい記録やよい観察点を持って積極的に参加してきてくれています。病棟に行って,実際の生活者の方と話して,生活のアックについての学びを深めていければ,もっと,彼女・彼の力を伸ばせたのではないかな,と思います。
そして,我々教員の学びも深まっているように感じます。
山田先生が,学生の発表へのコメントをされている場面です。
なるべく小さく,といわれましたが…………結構小さいような気もします。
さて,このようにコロナ禍のなか,制限がありながらも,実習として可能な限りの計画をして慢性期としては実施しております。本当は病棟に行きたかったんです。僕も,生活者と話して,いろいろな学びを得ることは本当に楽しいので。
だけれども,三密を避け,感染症を広げないようにするため,とぐっとこらえて,実習を行っています。
来年はどうなるのでしょうか?? 未だに先がよくわかりませんが,今のように学内だけでなく何らかの形で病棟に行くことを計画しなければいけないのかもしれません。
どうやらワクチンを利用しても,抗体価が出るのは非常に短期間のようですし,難しいところです。
慢性期実習はあと本日を入れても三日です。
残りの三日も頑張っていきたいと思います。
では!!!